高野重好氏「青年海外協力隊員としてパラオに行ってきます」より(2)

1月経ってしまいましたが、パラオ柔道の始祖高野さんの記録から、少しづつご紹介しています。

青年海外協力隊員としてパラオに行ってきます

要請主義の日本のODA。高野さんがパラオに呼ばれたのは下記のパラオ政府からの要請があって。

『派遣要請理由:公安局スタッフ(刑事、警察官、刑務官など)は法秩序を守るために犯罪取締やパトロール業務などを行っているが、この様な業務において暴力などの危害を受けるリスクを常に持っている。スタッフは前記危害から自ら身を守る術、護身術を習得すべきであるが、現在のところ護身術を教える人材がパラオにいない。そこで、公安局スタッフに柔道による護身術を教えながら、将来的に柔道(護身術)指導ができる人材の育成が可能な隊員の要請に至った。』(配属省庁名:法務省(Ministry of Justice) 勤務先名:公安局(Bureau of Public Safety) 地位:護身術(柔道)トレーナー(Self-Defense(Judo)Trainer)

現在は笹川平和財団の支援もあって、それに刺激された米国、豪州の支援も重なりパラオ法執行官の訓練は以前よりさらに厳しくなったようです。残念なニュースですが53歳の法執行官が最近訓練中にお亡くなりました。

Law enforcement academy cadet dies in training - Island Times

 話が逸れました。パラオの友人ジェニファーからパラオ柔道キッズを支援してと依頼があり、どういう人が関わっているのか気になりました。闇だらけのパラオ。日本からも怪しい人たちが入り込んでいます。

高野さんは大学生時代、なんと家賃700円の下宿生活を楽しんでました。私は3万円だったぞ!負けた!

「一ヶ月の家賃が700円、一日3食付いていた食事代が350円という超格安で、今では考えられないようなお金で生活していました。6畳二人部屋の学生寮で、食事のメニューは今でも覚えています。月、水、金の朝食はご飯と卵とみそ汁の3点セットで、火曜と木曜はご飯とふりかけとみそ汁の3点セットでした。安さの代償として、夜の12時から食器洗い当番が回ってきたり、残飯の処理をしたりしていました。年中敷きっぱなしの布団とちゃぶ台兼勉強机でこれも年中出しっぱなしのこたつ。家賃と食費の安さにはホント助けられた思い出…」

こういう方が関わっているパラオの柔道。前向きに支援しようと思いました。そして「支援しなければならない」と決定的に思ったのは、神戸地震で高野さんはお父様を亡くされいる事が書かれていたからです。しかもお父様は崩れ落ちる家を背中にお母様を守った。今この文章を書くために読みかしていたのですが、涙が出てきます。高野さんはサラッと書いていますがこの事が高野さんの人生を変えたと私は思っています。

高野さんにお会いしたくなり、連絡をしました。そして今こうやって「パラオ柔道キッズ支援の輪」として小さな活動ですが継続していることを嬉しく思います。